交通事故の通院中の注意点
Q交通事故のケガはどれくらいの頻度で整骨院に通ったら良いか?
A
初めのうちは出来るだけ毎日施術を行った方が良いです。具合が良くなってきたら、週2回程度の通院を続けると良いです。
もちろん、毎日通う事が出来る人ばかりではないので、週に1~3回となってしまう人も多いですが、痛みを早く取るためには、早期から適切な施術を行った方が良いです。鎮痛剤などを服用するだけではなく、患部にその時のケガの状態に合わせた理学療法を行った方が早く痛みから解放されます。我慢したり、遠慮することなく、しっかりと通って下さい。
具合が良くなってきたら、徐々に通院頻度を空けていけば良いです。しかし、交通事故の怪我は、慰謝料などの補償問題も絡んできます。慰謝料には、通院慰謝料といって、通院の回数が、具合の悪さの指標となり、慰謝料の算定基準となります。具合が悪いのに、通院回数が少ないと、どんなに具合が悪くても慰謝料の算定金額は低くなってしまいます。適切な補償を受取るためにも、しっかりと通院する時間は作って下さい。
また、安易に通院を止めたり、通院する間隔をあけ過ぎると、「通院する必要がないくらい具合が良くなった」という判断を下されます。
仕事が忙しくて通院時間が取れない・・・という理由は認められません。もしも1ヶ月以上、施術に通わないような事があれば、即、交通事故のケガは施術をする必要がなくなったと判断されますので、ご注意下さい。
Q整形外科に通う頻度はどうしたら良いですか?
A
ケガをしたばかりの時は、週に1回、具合が良くなってきたら、2週に1回は整形外科で診察を受け、日々の施術は整骨院で行うのが良いです。(あくまでも目安です。もちろん、整形外科医の通院頻度の指示に従うのがベストです)
交通事故でケガをした場合、整骨院に通うだけではなく、整形外科にも定期的に通った方が良いです。あくまでも医学的な診断を下せるのは整形外科の医師のみです。治るまでに時間がかかった場合に、長くかかっている医学的な診断を示せるのは整形外科の主治医なので、定期的な診察を受けていないと、整形外科医が保険会社に適切な説明をしてくれたり、必要な診断書などの書類を書いてもらえません。
治るまでの期間が長期になっている場合、交通事故の保険会社も、整形外科や整骨院からの診断書だけでなく、医療照会と言って、直接担当者が病状や今後の経過、治るまでの予測機関などを聞きに来ます。この時に。整形外科の主治医の先生に、適切な説明をしてもらえるように、定期的な通院と、しっかりと病状を伝えるようにしておきましょう。
特に重要な書類に、後遺症に関しての診断書があります。万が一後遺症が残ってしまう場合、後遺症が認められるかどうかを、自賠責保険に申請するための書類は、整形外科医にしか書けません。定期的な診察を続けていないと、この後遺症認定のための申請書を書いてもらう事が出来なくなるので、症状が長引いている場合は、必ず定期的に整形外科にも通って下さい。
交通事故のケガの程度が軽くて、数週間~1ヶ月以内で治ってしまう場合は、整形外科に通院しないで、整骨院だけの施術のみしか行わなくても大丈夫です。しかし、1ヶ月以内で治りそうだな・・・と思っていても、意外に治るまでに時間がかかってしまう場合もあります。
そのため、軽傷と思っても、初めから整形外科と整骨院、両方の受診をして、定期的に整形外科にも通う様にしておいた方が安全です。
Q整形外科での診察の時に、必ず伝えておく事は?
A
整形外科の診察の時に、必ず痛みが出ている部分はしっかりと伝えて下さい。
この部分はまあいいか・・・と思わずに、必ず伝えて、しっかりと病名と症状をカルテに記載してもらって下さい。
ここでしっかりと伝えて病名(負傷場所)を付けてもらわないと、交通事故の保険会社には伝わりません。医師の診断書に書いていない部分は、整骨院での施術が認められないので、必ず痛みが出ている部分はしっかりと伝えて病名が診断書に載るようにして下さい。
また、万が一、まだ痛みが残っている場所が、医師がちゃんと病名を付けて、カルテに病状を書いていないところだと、交通事故の保険会社も治療費は出してくれないし、補償もしてくれません。
整形外科で具合を伝えても、必ずしも整形外科の医師は、カルテに病状をしっかりと書いているとは限りません。医師は忙しいので、カルテにしっかりと記載をすることを重要視していない場合があります。
しかし、カルテや診断署への記載がないと言う事は、場合によっては裁判になった場合に証拠が全くないのと同じ事です。自分の身を守り、しっかりとした補償を得るために、整形外科の診察の時に、どんな病状でも、毎回しっかりと伝えて、カルテに記載してもらう事には十分気を使って下さい。
もしも上手に伝える事が出来なかったり、伝える事を忘れてしまうようなら、メモに書いて手渡しするなど工夫してみて下さい。